あしたへオーバータイム(13)

隼との電話を終えたロベルトはふと呟いた。
「・・・・隼は変わらないな」
ロベルトはオフィスのデスクに両肘をかけ手に顔を乗せ、隼と一緒に過ごした1年間をふと思い出していた。
そしておもむろにため息をつき、1枚の写真を手にした。
ロベルトのデスクにはリゾートで撮った写真が1枚飾られていた。
『隼・・・・僕は変わってしまったかもしれない』
ロベルトは座っていたイスから写真をもったまま立ち上がると、ふと部屋のガラスに映る自分を見つめた。
そこには写真にみんなと写ってる自分と違う自分が居たのであった。

隼と連絡を最後にとり終えてから数日後、ロベルトはドン・フェリー二に呼び出された。
「会長、何か御用でしょうか?」
会長室に入ったロベルトはそう挨拶をした。
ドン・フェリーニはイスから立ち上がると窓の外を見ながらこう切り出した。
「ロベルト・・・・こんどミラノで会議があるのだが私の変わりに出てもらえないだろうか」
ロベルトは少し困惑した。
フェリー二産業のトップであるドン・フェリー二は滅多なことでは会議を欠席しないからだ。
「どういうことでしょうか?」
すかさずロベルトは質問した。

「今度、ゴダイの社長の武彦君が来るんだが・・・その、面識があるロベルトが行った方がいいと思ったのだが、『嫌』か」
「いえ、会長の代理を務めさせていただけるのは光栄なことです」
ロベルトはドン・フェリーニの問いに素直にそう答えた。
「しかし」
ロベルトは間を置かずすぐに質問した。
「何の会議があるのか教えていただきたいのですが?」
ロベルトがそう質問すると、ドン・フェリーニはロベルトに近づきすれ違いざまにこう答えた。
「『宇宙産業プロジェクト』についてだ」
ロベルトは驚愕しすぐに振り向き、そしてドン・フェリーニの顔を見た。
驚きを隠せないロベルトにドン・フェリーニは
「驚いたか」
そう話し掛けた。
驚くも驚かないも無い、それはある『意味』を持っていた。

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