あしたへオーバータイム (3)

ゴダイリゾートとは地球の反対にある国『イタリア』
そこにある世界的巨大企業グループ『フェリーニ産業』があった。
フェリーニ産業はフェリーニ老ことカルロ・フェリーニによる手腕により
世界をリードするまでになった企業グループである。
2年前、隼とゴダイリゾートに一緒に降り立った青年『ロベルト・パゼッティーニ』は
隼がゴダイリゾートでプロのサッカー選手になる事を見届けると
1年前に『フェリーニ』の経営陣の一員として迎えられ、自分の夢に向かって走り出した。
隼とロベルトは従兄弟の関係でありカルロ・フェリーニの孫に当たる。

「ですから、ココの収支を利益還元に致しまして・・・・・・・」
ロベルトは会長室で熱弁を振るっていた。
同席者達からは『うーん、すばらしい』『さすがロベルト様だ』と声がもれてた。
しばらくし、ロベルトの熱弁を聞きながら微笑んでいたカルロ・フェリーニが一声を発した。
「みな、ロベルトの意見に賛成かな?」
フェリーニ老が皆に賛同を尋ねると『では早速そういたします』
と賛同すると一礼をし退室していった。
ロベルトも一礼し退室しようと素早く書類を片付けていると声を掛けられた。
「ロベルト、すこしいいかね?」
フェリーニ老はそうロベルトに声をかけると秘書に人払いを命じた。
指示を受けた秘書は一礼すると退出していった。
「曾お爺様、何か御用でしょうか?」
ロベルトは少し緊張していた。

フェリーニ老と公務で合う場合、ロベルトは『会長』と呼んでいた。
しかし、普段は曾お爺様と呼んでいる。
フェリーニ老はしばらく黙り込んだあと、溜息をついてからこう問い掛けた。
「ロベルト、ここに来てどのぐらいなる?」
突然の問いに、ロベルトはすぐさに答えた。
「ここに来てちょうど1年になります。」
緊張した面持ちのままそう答えたロベルト
するとフェリーニ老はこう問いかけを続けた。
「1年か・・・・・・・たしかにお前のビジネスに対する熱意は素晴らしいものがある」
そう声をかけられたロベルトは『ありがとうございます』と返事を返す。
「しかしだ」
フェリーニ老は椅子を反対向きにし、ロベルトに背を向け窓の向こうに目をやりながら
話を続けた。
「お前は少々目先の利益にとらわれすぎる。そうは思わんかね?」
窓に写るフェリーニ老に向かって『ですが』と反論をしようとしたロベルトであったが
フェリーニ老は『もう下がってよい』と言うとすぐに秘書が現われた。
ロベルトは反論をやめ『失礼しました』と言うと一礼し、会長室をあとにした。
フェリーニ老はロベルトが退室するのと同時に溜息をつき
「隼・・・・・・・か」
そう寂しそうにつぶやくと、おもむろに空を見やげるのであった。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック